特別インタビュー 1|

Geodeグループ日本オフショア投資責任者 Theodore Kato氏 なぜ私はアメリカでの豊かな生活を手放し、日本人の安心を守ることに人生をかけようと決めたのか?



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記者:
2022年に安定かつ収入の高いお仕事を離れ、日本に戻る決断をされました。その背景には深いお考えがあったのではないでしょうか。
Theodore Kato氏:
そうですね。この決断は、実は心の中で長年温めてきたものでした。
アメリカで約30年間暮らし、キャリアも順調、生活環境も恵まれていました。多くの友人からは「なぜ戻るのか」と引き止められましたが、心の奥底にずっと消えない声がありました──「日本は、大丈夫だろうか?」と。
日本は私が生まれ育った国であり、両親が年老いていく場所、そして私自身が帰りたいと願った場所です。
街が年々静まり、保育園が次々と閉園し、一方でコンビニでは高齢者向けの送迎サービスが始まる光景を目にしました。
多くの方々が一生懸命働き抜いてきたにもかかわらず、老後に「将来」への不安を抱えている──それは努力が足りないからではなく、単に「金融を知らない」からだと感じたのです。
私は偶然にもその道を長く歩み、ある程度の経験と資源を得ることができました。
そのとき気づきました。「今こそ、戻るべきだ」と。


Theodore Kato氏は、Geodeと連携して信頼できる投資の仕組みを日本に広げ、金融を「人々に安心をもたらす道具」として一般投資家の資産を守ることに尽力している
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記者:
現在、Geodeグループで日本のオフショア投資業務を統括されていますが、その仕事は「一般投資家の資産を守りたい」という想いとどのように結びついているのでしょうか。
Theodore Kato氏:
多くの方が金融に抱くイメージは冷たい数字やウォール街のスーツ姿かもしれません。
しかし、私にとって金融は「人々に安心をもたらす道具」です。
私たちはGeodeとともに、日本国内に信頼できるパートナーシップのネットワークを築いています。それは単に商品を売るためではなく、安心でき、理解でき、活用できる投資の仕組みを提供するためです。
銀行や証券会社と提携し、世界水準の資産運用の方法を、一歩一歩、日本の皆様が手にできるものへと形にしています。
結局のところ、投資は他人に勝つためのものではありません。
人生に嵐が訪れたとき、自分を守ってくれる屋根を持つためのものなのです。
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記者:
加藤さんがそこまで「他者を助けたい」と強く思うのは、なぜでしょうか。
Theodore Kato氏(微笑みながら):
おそらく母の影響でしょうね。
母は看護師として一生、人々を助け守る仕事をしてきました。そんな母がよく私に言っていたのは、「人生で大事なのは何を手に入れたかではなく、どれだけ人のために何かを残せたかだよ」という言葉でした。
ウォール街で、大きな富が生まれたり、あっという間に崩れたりする場面をたくさん見てきました。
そして、知識や仕組み、使える手段を持たなかったせいで、本当なら守れたはずの生活を失ってしまった人たちも数多く見てきたのです。
だから私は日本に帰ってきました。ただ自分の知識や能力を見せつけるためではありません。
金融とは無縁だった方たちにも、安心して、誇りを持って生きられる人生を歩んでほしい──それが私の願いです。
金融の持つ“善意”は、仕組みや制度の中だけにとどまるのではなく、実際に家庭の食卓まで届いてこそ、本当の意味があると信じています。



Theodore Kato氏は、Geodeのグローバルネットワークを活用し、日本人のライフスタイルに合った「自立した老後」を支援する年金ファンドの立ち上げを構想している
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記者:
今後、具体的にどのような取り組みを予定されているのか、ぜひ教えてください。
Theodore Kato氏:
現在、私たちは「自分の老後を、自分の力で守りたい」と願う方々に向けた年金ファンドの立ち上げを準備しています。
政府に頼らず、家族に負担をかけず、それでも誇りを持って老後を生き抜きたい──そんな方々のためのファンドです。
これは単なる投資商品ではありません。一つのライフスタイルの選択肢です。
私たちはGeodeの世界的なネットワークと、日本人の貯蓄の習慣や税制の特徴をうまく組み合わせて、長く持ち続けることで安心できる、わかりやすくて安全性の高い仕組みを作ろうとしています。
言わば、それは「未来の自分へのラブレター」です。
若いうちから少しずつ積み立て、数十年後には、子どもたちの顔色をうかがう必要も、過度に節約する必要もない老後を手に入れる。
これは高リスクの投機でも、単なる宣伝でもありません。
確かな理論と経験、そして人を思う心で形作られた「金融の物語」です。



Theodore Kato氏との対話は、金融を通じて人々の安心と誇りある人生を願う深い想いを感じさせました。
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記者後記
Theodore Kato氏との対話は、まるで一人の人生の達人が「家」や「国」、そして「未来」について静かに語ってくれるような時間でした。
彼は落ち着いた語り口で、決して感情的にならずに金融の話をします。その内容は単なるお金や投資の話ではなく、まるで人生についての深い考えを語っているようです。彼が話す投資の話題も、結局は人々が安心して、誇りを持って生きられることを目指しているのです。
彼はウォール街の華やかさを捨てたのではありません。
心の中にずっと刻まれていた一言──
「私はこの地に生まれた。
ここで老いていく人々が、少しでもよい人生を歩めるように。」
おそらく、それこそが日本人の奥底に流れるロマンなのかもしれません。
静かな時代にあっても、学び得たすべてを使って、他者のために「見えない傘」を差し出す──そんな方が、今もここにいるのです。

大島みち子 / oshimamichiko62@outlook.com


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